長期優良住宅住宅のメリット・デメリットを解説!
メリット・デメリットを頭に入れて自分には申請した方がいい!
私は申請しなくてもいいかも!
そういった判断材料にして下さい。
長期優良住宅って最近良く聞くけど…申請した方がいいの?
申請した方がお得になる人もいれば申請してお金的に損する人もいるよ!
●長期優良住宅の事を簡単に知りたい!
●長期優良住宅のメリット・デメリットを知りたい!
●長期優良住宅て申請した方がいいの?
そういった人向けの記事となります。
結論はシンプルです。
お得になる人は申請した方が良い。
でもお得にならない人はしなくても良いと個人的には思います。
長期優良住宅って何?どんな制度なの?
長期優良住宅って実際どういった建物なの??
そうだね!そこから詳しく解説していくよ!
長期優良住宅は、その名の通り
「長期にわたり住み続けられるための措置が講じられた優良な住宅」
(出典:国土交通省)
と位置づけられた住宅です。
長く住める家は環境的にも経済的にも良いんだよね!
日本は住宅の平均的な寿命が約30年と言われており、建てる&壊すを繰り返すことは、
環境的にもあまり良くないですよね…
そこで耐久性の高い【良い住宅】を増やすことで建物を壊す事を減少ができます。
つまり建物を壊さないから、ゴミが出ない=環境に良いって事だね!
また日本では親子の代それぞれで新築を建てることが「一般的」です。
しかし、経済的な面から見ると、それぞれの代で住宅ローンを組むことは経済的負担も大きくなります。
一回建てた住宅が修繕をしながら受け継ぐことができれば、
子供の代は経済的な負担も少なく住宅を確保することができます。
子供にも自分の家を継がせるって何か良いよね!
政府はそのような考え方のもと、
「耐久性の高い、ストックできる住宅に様々な優遇制度をつけて普及を促進したい」と
考えられて出来た制度が
長期優良住宅というわけです。
長期優良住宅のメリットとは?
長く住める住宅ってだけでメリットはあるけど、他にもメリットってあるの?
長期優良住宅の更なるメリットを紹介していくよ!
- 各種税制優遇が受けられる
- 住宅ローン控除の枠が広がる
- 住宅ローンの金利優遇がある
- 地震保険の割引適用になる(品確法に基づく耐震等級が条件)
タップして気になる場所へジャンプ出来ます
各種税制優遇が受けられる
長期優良住宅の場合、住宅にかかる色々な税金が安くなります。
詳しくは表を確認して下さい。
税金の種類 | 一般住宅 | 長期優良住宅 |
---|---|---|
保存登記 | 0.15% | 0.1% |
移転登記 | 一戸建て 0.3% マンション 0.3% | 一戸建て 0.2% マンション 0.1% |
不動産取得税(控除額) | 1,200万円 | 1,300万円 |
固定資産税 優遇期間 | 一戸建て 3年間 マンション 5年間 | 一戸建て 5年間 マンション 7年間 |
登記費用は、税率の引き下げという優遇となっており、不動産取得税は課税標準からの控除額を増額できます。
この利率や控除額は、建物の「固定資産税評価額」という金額から算出されます。
そのため、住宅会社と契約する金額が基準になるわけではなく、
その地域・建物の大きさ等に応じた評価額に応じて決められる金額からの利率・控除額になります。
つまり住宅会社は関係ないって事だよ!
どこで建てても評価額は家によって変わってくるって事!
そして、住み始めると固定資産税という税金がかかってきます。
長期優良住宅の場合は、この固定資産税の優遇もあります。
新築の場合、固定資産税の評価額を2分の1に減税措置できる制度があり、
その期間を長期優良住宅の場合、2年間延長できます。
2年間も延長出来るって良いかもね!
2-2.住宅ローン控除の枠が広がる
長期優良住宅の場合、住宅ローン控除を受けられる枠が広がります。
まずは控除対象限度額が4,000万円から、5,000万円に拡大します。
住宅ローン控除は、その年度の確定申告により
所得税+控除しきれない場合は住民税が還付される制度です。
その還付される金額が拡大し、所得の高い世帯ほど
納めている税金の額も多く、効果が大きくなります。
年収が多い人がよりお得になるって事だね!
なお、住宅ローン控除に関しては、以前までは10年間でしたが、
2021年は優遇期間が13年間に延長されています(長期優良住宅の有無に関係なく)。
2-3.住宅ローンの金利優遇がある
長期優良住宅の場合、住宅ローンの金利が優遇される場合があります。
例えばフラット35の場合は、長期優良住宅であれば優遇金利になっている「フラット35S」が適用になります。
2022年3月末までは、0.25%引き下げの優遇があります。優遇期間は下記の通りです。
金利プラン | 金利引き下げ期間 | 金利引き下げ幅 |
---|---|---|
フラット35S(金利Aプラン) | 当初10年間 | 年▲0.25% |
フラット35S(金利Bプラン) | 当初5年間 | 年▲0.25% |
なお、金利Aプラン・Bプランの違いは住宅の性能によって変わってきます。
耐震等級3など性能が高い住宅は、金利Aプランが適用されます。
この優遇で、どれくらいの差が出てくるか?みてみましょう。
出典:住宅金融支援機構HP
このように性能の高い住宅の場合、3000万円の借り入れに対して金利だけで約71万円オトクになります。
住宅ローンの金利優遇は、長期優良住宅のメリットの中でも効果が大きいです。
2-4.地震保険の割引適用になる
地震保険に加入する場合、長期優良住宅は地震保険料が割引になります。
なお、割引率に関しては耐震等級によって差があります。
耐震等級 | 割引額 |
---|---|
耐震等級2 | 割引率30% |
耐震等級3 | 割引率50% |
耐震等級は3段階あり、耐震等級3(建築基準法から比べて耐震強度が1.5倍)が最高等級となります。
ただし、この割引自体は「長期優良住宅の認定自体が必須ではありません」。
長期優良住宅の認定を受けていなくとも
品確法に準ずる耐震等級2または耐震等級3を有していれば、割引対象になります。
3.長期優良住宅のデメリットとは?
ちなみに長期優良住宅にデメリットってあるの?
勿論、メリットがある分、デメリットもあるよ!デメリットも解説していくよ!
- 申請にお金が掛かる
- 建築に掛かるコストアップ
- 維持メンテナンス費用が発生する
気になる場所へタップして移動する
申請にお金が掛かる
実は申請するのにお金が掛かるんだよね…
え…そうなんだ…
申請は個人でもできますが、一般の方が自分一人で所管行政庁に申請するのは現実的ではありません。
一般的には、建築する住宅会社に代行することが一般的ですが、大よそ20~30万円程度の費用がかかります。
20~30万は大きいよね…
勿論、一般的な価格だから、きちんと工務店やハウスメーカーに金額は確認してね!
建築にかかるコストアップ
やっぱりコストアップってするんだ…
勿論、良い家が前提だからコストアップはするよ!
ただ、依頼している会社の標準仕様にもよるかな!
標準仕様が元々長期優良住宅の仕様であれば申請費用だけがプラスされると考えれば良いですが
標準仕様が長期優良住宅に適用していない会社の場合は、
長期優良住宅仕様にグレードアップしないといけません。
もちろん、グレードアップして住宅の性能を高めることで生活する上でメリットがあります。
メリットって何?
耐震性が高いと家族の命を守る可能性を高めることにつながったり
断熱性能が高いと光熱費の削減につながるよ!
維持メンテナンス費用が発生する
長期優良住宅は建てた後にも継続的な点検を行い
場合によってはメンテナンスを行いながら優良住宅を保つ必要があります。
点検・メンテナンス費用が掛かるって事はデメリットともいえるよね!
認定を受けた住宅の建築・維持保全が適切になされていないと認めるときは、認定計画実施者に対して是正指導や改善命令をし、認定計画実施者が改善命令に違反した場合は、認定を取り消すことができます。
引用:国土交通省 HPより
認定が取り消されるのは怖いね…
勿論、点検やメンテナンスを行うことは悪い事ではありません。
長い目で見れば、長い間良い家に住み続けることが出来ると考えるとメリットとも言えます。
ただ、メンテナンスを行う時期を自分で決めることが出来ない点がデメリットともいえます。
長期優良住宅って結局お得になるの??
メリット・デメリットは何となくわかったけど…
結局お得なのかは分からないなぁ…
例を上げて確認していくよ!
実際にお得になるのかを計算してみましたので参考にして下さい。
【例1】
世帯年収500万円・土地代1,000万円・建物代2,000万円:借入額3,000万円(金利1%・35年返済)
【例2】
世帯年収700万円・土地代1,500万円・建物代2,500万円:借入額4,000万円(金利1%・35年返済)
仮に土地と建物の評価額を相場目安から、土地評価額を70%(公示価格1350万円を基準とする)
建物評価額50%とします。
上記を例に計算して行きます。
登記費用で比較した場合はお得?
まずは登記費用で比較した場合
【例1(建物代2,000万)の場合】
固定死産税評価額(仮) | 一般住宅の登記費用(目安) | 長期優良住宅の登記費用(目安) | |
---|---|---|---|
建物(保存登記) | 1,000万円 | 15,000円 | 10,000円 |
【例2(建物代2,500万の場合】
固定死産税評価額(仮) | 一般住宅の登記費用(目安) | 長期優良住宅の登記費用(目安) | |
---|---|---|---|
建物(保存登記) | 1,250万円 | 18,750円 | 12,500円 |
長期優良住宅と一般住宅での差は5,000円だね!
5,000円か…なんかあまり
お得になってない気がする…
不動産取得税ではお得になる?
不動産取得での比較をしてみます。
【例1(建物2,000万)の場合】
固定死産税評価額(仮) | 一般住宅の登記費用(目安) | 長期優良住宅の登記費用(目安) | |
---|---|---|---|
建物 | 1,000万円 | 0円 | 0円 |
【例2(建物2,500万)の場合】
固定死産税評価額(仮) | 一般住宅の登記費用(目安) | 長期優良住宅の登記費用(目安) | |
---|---|---|---|
建物 | 1,250万円 | 15,000円 | 0円 |
一般住宅との比較は15,000円お得になります。
建物の評価額が1,200万円以上ないと優遇を受けることができません。
計算式としては「(固定資産税評価額-控除額)×3%」が不動産取得税になります。
そのため、最大でも100万円×3%=3万円が最大優遇額です。
最大でもお得になる事は30,000円って事か…
固定資産税で比較した場合はお得になる?
次は固定資産税で比較してみます。
【例1(建物2,000万)の場合】一般住宅と長期優良住宅との差は、119,000円。
固定資産税優遇額 | 固定資産税評価額(仮) | 一般住宅の 固定資産税額 | 長期優良住宅の 固定資産税額 |
---|---|---|---|
1年目 | 1,000万円 | 本来140,000円→70,000円(▲70,000円) | 本来140,000円→70,000円(▲70,000円) |
2年目 | 1,000万円 | 本来140,000円→70,000円(▲70,000円) | 本来140,000円→70,000円(▲70,000円) |
3年目 | 1,000万円 | 本来140,000円→70,000円(▲70,000円) | 本来140,000円→70,000円(▲70,000円) |
4年目※評価額の見直し | 850万円 | 119,000円※優遇措置なし | 119,000円→59,500円 (▲59,500円) |
5年目※評価額の見直し | 850万円 | 119,000円※優遇措置なし | 119,000円→59,500円( ▲59,500円) |
5年間 合計 | – | 448,000円 | 329,000円 |
【例2(建物2,500万)の場合】一般住宅と長期優良住宅との差は、177,800円。
固定資産税優遇額 | 固定資産税評価額(仮) | 一般住宅の固定資産税額 | 長期優良住宅の固定資産税額 |
---|---|---|---|
1年目 | 1,250万円 | 本来175,000円→87,500円(▲87,500円) | 本来175,000円→87,500円(▲87,500円) |
2年目 | 1,250万円 | 本来175,000円→87,500円(▲87,500円) | 本来175,000円→87,500円(▲87,500円) |
3年目 | 1,250万円 | 本来175,000円→87,500円(▲87,500円) | 本来175,000円→87,500円(▲87,500円) |
4年目※評価額の見直し | 1,060万円 | 148,400円※優遇措置なし | 119,000円→59,500円(▲59,500円) |
5年目※評価額の見直し | 1,060万円 | 148,400円※優遇措置なし | 119,000円→59,500円(▲59,500円) |
5年間 合計 | – | 559,300円 | 381,500円 |
固定資産税の算定基準は、「固定資産税評価額(課税標準額)× 1.4%」が基準となっており
ここから2分の1減額措置が受けれます。
固定資産税では大きくお得になる可能性が高いって事だね!
【例1】
世帯年収500万円・土地代1,000万円・建物代2,000万円:借入額3,000万円
優遇内容 | 長期優良住宅にすることによる優遇額 |
登記費用の優遇額 | 5,000円 |
不動産取得税の優遇額 | 0円 |
固定資産税の優遇額 | 119,000円 |
合計 | 124,000円 |
【例2】
世帯年収700万円・土地代1,500万円・建物代2,500万円:借入額4,000万円
優遇内容 | 長期優良住宅にすることによる優遇額 |
登記費用の優遇額 | 5,000円 |
不動産取得税の優遇額 | 15,000円 |
固定資産税の優遇額 | 177,800円 |
合計 | 197,800円 |
以上のように長期優良住宅にすることで、約10~20万円前後の税制上の優遇があることがわかります。
住宅ローン控除ではお得になる?
住宅ローン減税の場合は
一般住宅の40万円から10万円追加され、控除額が50万へなるため
年末時点のローン残高が、4,000万円以上で納税額としても40万円以上の納税額がないと
長期優良住宅の住宅ローン控除のメリットがありません。
10年間である程度効果を出し続けようとすると、
借入金額としても最低でも5,000~6,000万円前後以上で、
年収も800万円~900万円以上ないとメリットが出ないと想定されます。
給与支給、扶養家族状況など個々の事情により納税額については
一概に決まっていないため、年収額はあくまで目安として考えて下さい。
2021年長期優良住宅の補助金は?
長期優良住宅にする時に補助金って貰えるの?
2021年時点の貰える補助金について解説するよ!
長期優良住宅は、国土交通省が所管する
「地域型住宅グリーン化事業(長寿命型)」という補助金の適用対象になります。
補助金額は、補助対象経費の1割以内の額で、最大110万円の補助金が出ます。
補助対象経費とは、一般住宅から長期優良住宅にするために
グレードアップした部分のことを言います。
また、「地域型住宅グリーン化事業」は誰でもいつでも受けることできる補助金ではなく
建築業者や建築資材の流通業者が作るグループに
建築する住宅会社が加盟してそのグループに
割り当てられる補助金枠(抽選になっていることが多い)を持っている場合のみなので、
実はなかなか狙って取ることは難しい補助金です。
必ず貰えるわけじゃないから難しいって事だよ!
貰える補助金かは工務店に確認しよう!
まとめ:長期優良住宅は申請した方がお得?
長期優良住宅は実際に【良い家】である事は間違いありません。
家を建てるハウスメーカーや工務店の仕様が標準仕様で長期優良住宅であれば検討する価値はあります。
しかし、所得が800万円~900万円以上で、借入額が5000万円以上の場合は
お得になる可能性が高いですが、一般的な家庭ではお得になるとは言い難いです。
個人的には長期優良住宅にしても大きくお得はしないと考えています。
では本日のまとめです。
最後まで読んで頂き有難う御座いました。
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