回遊動線とは、部屋同士をぐるっと一周できる動線のことで、人気の高い間取りの一つです。
しかし、回遊動線を取り入れたからといって、全ての家が快適になるのかというと…そういうわけでもありません。
実際に回遊動線のある間取りで後悔・失敗したよって感じている人も多いよ!
そこで本記事では、建築業界に15年以上携わっている私が、回遊動線を後悔しないためのコツやおすすめの間取りについて詳しく解説します。
- 回遊動線のメリット・デメリット
- 回遊動線の後悔・失敗例
- 回遊動線を失敗しないための
- 回遊動線のおすすめの間取り
回遊動線が気になるけど、後悔もしたくない方はぜひ参考にしてみてください。
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株式会社ハウ・ツゥ・ライブ 設計士 壷坂 豪
2000年に奈良市の地域密着型の工務店に入社。
以降、注文住宅やリフォームなど300棟を超える住宅の設計に携わっている。
自然素材を活かした家族がホッとくつろげる空間設計を得意としている。
公式サイト:奈良の注文住宅ならハウツゥライブ
回遊動線の後悔・失敗例
回遊動線の後悔や失敗例ってあるの??
後悔・失敗例を紹介するよ!
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居室が狭い
回遊動線を取り入れるには、人が通る通路を確保しなければなりません。
その分、どうしても他の部屋が狭くなってしまうよね…
回遊動線に面積を多く使ってしまって、リビング、寝室、子ども部屋が狭くなって不便な思いをするかもしれません。
対策:細かい動線までイメージして間取りを考える
延床面積を大きく取れる家なら、居室や収納スペースの面積も確保した家を計画できます。
しかし、面積が限られているのであれば、十分に確保できないでしょう。
せまいなら、諦めるしかないの?
まずはイメージが大事だよ!
回遊動線を取り入れたいなら、実際に新しい家で過ごすイメージをしてみましょう。
- 細かい家事動線(キッチンから洗濯・干す・畳む・しまうなどの動線)
- 生活動線(外から帰ってきてリビングへ行く・トイレ・風呂などへ行く動線)
- ソファなどの家具をどの場所におくか
- 寝室にベッドなの家具を置くのか
細かければ細かいイメージが出来るほど失敗や後悔は減ります。
収納スペースが少ない
例えば、キッチンの横に洗面所がある間取りにした場合、収納部分が少なくなってしまったという後悔例があります。
どうしてその間取りだと失敗になるの?
回遊動線は通路が2か所あることになるからね!
通路が2箇所あることで、その分収納スペースが狭くなります。
実際に生活をしてみると、キッチンや洗面所で使う道具や日用品は意外と多いです。
- キッチン・洗面所・通路スペースに物があるれる可能性がある
- こどものおもちゃなどが散乱して新築なのにごちゃついてまとまりがなくなる
対策:動線と収納の優先順位を明確にする
回遊動線を取り入れた間取りは、収納スペースが減ることを頭に入れておくことがポイントです。
そこで何を優先するかをもう一度考えよう!
- 回遊動線でスムーズな移動をすることを優先する
- 将来も見越してたくさん収納できるスペースを確保する
自分や家族で優先順位を話し合って明確にしておくようにしましょう。
プライバシーが守られない
居室と居室を移動できる回遊動線の場合、子どもが成長した時にプライバシーがないように感じる可能性があります。
子どもが小さい時は扉を開けて解放して広く使えるけどね…
中学生や高校生になると、自分の時間を持ちたくなるよね!
また、勉強に集中したいのに、隣の部屋の音や気配が気になるということもかもしれません。
家を建てる時の子ども年齢だけを考えた間取りだと、将来後悔する可能性もありえます。
対策:家族のライフスタイルを考えた設計にする
子どもが成長してからのことも考えた間取りを計画しましょう。
小さいころは、回遊性があるとぐるぐる回れて楽しく遊べたり、すぐに別室に移動できるので子育てにも最適です。
しかし、思春期になってプライベートな空間が欲しくなった場合のことも考えておくことが必要です。
例えば、扉に施錠をつけておいて、子どもが自分でプライバシーを確保できるようにしてあげましょう。
洗濯動線の考え方が不十分だった
洗濯動線は、洗う→干す→取り込む→しまうといった動線が大事です。
具体的な失敗例を紹介します。
洗面脱衣室に勝手口を設け、庭の物干しにすぐに洗濯物を取り込めるようにする回遊動線を取り入れたところ、洗濯物を干すのがとても楽になったというケースがあります。
それなら成功じゃないの?
洗濯物を取り込む動線を考えていなかったから失敗するよ!
この失敗・後悔例は、洗濯物を取り込む動線について考えていなかったことです。
そのため、洗濯物を取り込んだ後に来客様の部屋やリビングに置きっぱなしにしてしまうという結果になってしまいました。
対策:家事動線をシミュレーションする
家事動線をしっかりとシミュレーションしてから回遊動線を考えましょう。
洗濯の場合、洗濯物を洗濯機で洗って干して、取り込んで畳んで収納するという動線をシミュレーションできます。
今回の失敗のケースだと、こういった対策ができたよ!
洗面所で洗濯→すぐそばの勝手口から物干しスペースに出る→洗濯物を干す→乾いたら洗濯物を取り込む→すぐに畳んでしまえるように近くにウォークインクローゼットを設置する。
こうすることで、スムーズな動線を確保できます、
実際にどんな行動をとるかを、家事をやり終えるまでをイメージすることが、回誘動線で失敗しないための対策です。
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回遊動線で失敗しないためには
回遊動線で失敗しないためにはどうしたら良いの?
失敗しないための対策を紹介するよ!
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家事動線を細かくシミュレーションする
家事動線の細かいシミュレーションは回遊動線を取り入れるために必要なことです。
具体的にはどんなシミュレーションをしたらいいの?
家事の始まりから終わりまでをしっかりと考えてシミュレーションするといいよ!
洗濯動線であれば、洗う→干す→取り込む→収納するといった動線をしっかりと考えてないと、せっかく回遊動線を取り入れても不便に感じるかもしれません。
居室・収納スペースを十分確保する
回遊動線は人気ですが、居室や収納スペースは十分確保するようにしましょう。
特に収納部分は本当に必要だよ!
正直なところ、生活をしていくと、日用品を買い溜めなどで物が増えていきます。
子どもが成長して習い事や部活を始めるとその分収納する場所を.確保しなければなりません。
また、プライベート空間も狭いと窮屈に感じて、ゆっくりとくつろげない可能性もあります。
スムーズな回遊動線も魅力的ですが、実際に生活する上で必要なことや優先したいことはしっかりと家族で話し合っておきましょう。
実績のある業者に設計を依頼する
回遊動線は設計の難易度が高いです。
だからこそ、実際に間取りを設計したことがある業者に依頼するようにしましょう。
回遊動線に慣れていない業者だと、理想の間取りを設計してもらえない場合もあります。
回遊動線を採用したい場合は、実績があるのか確認することが大事です。
実際の施工例の画像を見せてもらいたいね!
常設のモデルルームや完成見学会などがあれば実際に見て確認したいとことです。
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回遊動線のデメリットは?
回遊動線にはどんなデメリットがあるの?
デメリットについて解説するよ!
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居室や収納スペースが狭くなる
回遊動線を実現するには、家の中をぐるぐると移動できる通り道が必要です。
そのため、回遊動線のためのスペースが必要となります。
予算などで家の大きさが決まっていれば、必然的に居室や収納スペースが狭くなってしまいます。
また、移動のためにドアなどの開口部分を確保しなければならないので、家具が配置できる壁も減るというデメリットも発生します。
耐震性能が下がる可能性がある
耐震性能を高めるためには、しっかりとした壁(耐力壁)が必要です。
しかし回遊動線は人が通るため、壁ではなくドアなど人が通る開口が必要になります。
そのため、間取り次第では耐震性能が下がる可能性があります。
それはちょっと心配かも…
新築の家では耐震性能を満たしているから心配はないよ!
リフォームやリノベーションの場合は注意が必要です。
広い面積が必要になる
回遊動線のある間取りの中でも、キッチンをアイランド型にするプランは人気が高いです。
調理スペースやシンクが島のように独立した形のことをいい、左右に通路ができるので効率の良い家事動線になります。
しかし、左右に通路が必要ということはその分のスペースを確保しなければなりません。
その分、他の部屋が狭くなることがデメリットだよ!
回遊動線やアイランドキッチンを採用したい場合は、ある程度の広さが確保できるスペースがあるかどうかを確認した方がいいです。
設計の難易度が高くコストもかかる
実は回遊動線を確保し、その他のお客様の要望を取り入れた間取りを考えることは非常に難しいです。
開口部が多くなるため、照明計画の際にスイッチやコンセントの場所に悩む場合もあります。
そのため、設計士の腕(力量)が必要になります。
回遊動線のプランの経験が豊富な設計士に依頼するようにしよう!
また、回遊動線は広いスペースが必要です。その分、家全体の面積が大きくなります。
つまり、延床面積が大きくなるため、建築費用も高くなるということです。
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回遊動線のメリットは?
回遊動線のメリットは何があるの?
メリットを解説していくよ!
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効率の良い家事動線
回遊動線は、家事を効率良くしてくれます。
回遊動線がない場合と比べてどう効率がいいの?
移動時間の短縮になることが一番だよ!
行きたい場所へスムーズに行けるように近道となる回遊動線ができます。
キッチンの横に洗面所(ランドリールーム)がある間取りにすると、料理をしながら合間をみて洗濯機を回しにすぐに移動することも出来ます。
こういった少しのことでも毎日のことなのでストレスが減ります。
家が広く感じて解放感もある
回遊動線は元々広い空間に作ることが一般的です。
また、回遊動線にすることで家が広く感じることが出来ます。
どうして広く感じることが出来るの?
家の中で行き止まりが減るからだよ!
回遊動線によって家の中の部屋は繋がっており、ぐるぐると周回できるので部屋が広く感じて解放感もあります。
家族の渋滞がしにくくなる
家族で暮らしていると、洗面所やキッチンなど複数人が同時に集まると渋滞が発生します。
あー分かる!今住んでいるところが渋滞してる!
渋滞すると地味にストレスだよね!
家族が渋滞すると、体がぶつかったり、やりたい作業がしづらかったりします。
朝、洗面所で顔洗いなど支度を行っている時に、家族が待っている出入口とは別の扉から移動すれば家族とぶつかることもありません。
朝の忙しい時間であれば、渋滞が軽減されるだけでストレスも減りますね。
各部屋への移動がしやすい
回遊動線の特徴は、部屋から部屋への移動ができる点です。
部屋から部屋に移動することは…何がいいの?
家事動線や生活動線をより効率の良いものにしてくれるよ!
例えば、玄関から洗面脱衣室(浴室)・LDKへつながる回遊動線の場合は
子どもが外から帰ってくる→洗面脱衣室(浴室)で手や体を洗う→リビングに汚れを持ち込むことはないです。
子どもがスポーツをしているなら、終わった後にお風呂に入ってもらう習慣にすればいつでも家の中を清潔な状態で保てます。
また、LDKを必ず通って自室へ行けるようにすれば、子どもとのコミュニケーションも取りやすいです。
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回遊動線のおすすめの間取りは?
回遊動線でおすすめの間取りってどんなのがあるの?
おすすめの間取りを解説していくよ!
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キッチンを中心にした回遊動線
キッチンを中心とした回遊動線とは、アイランド型のキッチンを置いて間取りの中心にキッチンを置くプランのことです。
間取りの中心にキッチンがあると、キッチンから玄関、洗面所、浴室、階段など家の中のさまざまな部屋への移動がしやすくなります。
家事効率が上がるだけでなく、来客時にキッチンからすぐに玄関へ向かえるのでキッチンに立つ時間が多い場合にとても助かる間取りといえます。
とにかくキッチンが映える間取りだよ!
洗面所を中心にした回遊動線
洗面所を中心とした回遊動線にすると、水回りの家事がしやすくなります。
例えばどういった間取りがいいの?
洗面所から物干し場へすぐに移動できる間取りが一番だね!
また、洗面所とLDKにそれぞれ2箇所の出入り口を設けて、回遊動線を作れば、洗面所での家族の渋滞が起きにくいです。
家族が多い場合には洗面所を中心とした回遊動線がおすすめです。
移動と収納が一緒にできるウォークスルーのファミリークローゼット
回遊動線にするならウォールスルーが魅力的です。
ウォールスルーって何?
出口を2か所作って通り抜けが出来ることだよ!
そして、ウォークスルーのファミリークローゼットは、収納をしながら移動も一緒にできる収納スペースのことです。
たっぷりと収納を設けられるだけでなく、行き止まりがないので別の部屋への移動もスムーズになります。
パントリーを回遊できる動線
パントリーからキッチン、ダイニングに移動できる回遊動線もおすすめです。
キッチンで作業しているときにすぐに横に行けるのが良いよね!
他にも、ダイニングに入る家族がキッチンを横切らずにパントリーへ移動できます。
ここでも家族の渋滞を避けられるということです。
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こんな人は回遊動線に向いてない
回遊動線が向いていない人ってどんな人かな?
回遊動線が必要ない人の特徴を解説するよ!
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収納を多く確保したい人
部屋をスムーズに行き来するよりも、できる限り収納を多く取りたい人は回遊動線は不要です。
回遊動線が人気だけど、収納がたくさん欲しい!と思う人はいらないよ!
勿論、ある程度広い家を建てることが出来る人にとっては、回遊動線も収納も問題ありません。
しかし、決められたスペースであれば、実際に自分達の生活に回遊動線が必要かどうかをイメージして下さい。
回遊動線よりも必要なスペースはないかを考えることが大事です。
居室を広くしたい人
居室を広く取りたい方には、回遊動線が邪魔になる可能性があります。
やっぱり、回遊動線を作るにはどこかの部屋が狭くなるからね!
しっかりと延床面積を確保できるのであれば、居室を広くとって回遊動線も確保することは可能です。
でもやっぱり予算があって広さが…
予算と相談しながら、どちらを優先するかを検討しましょう。
コンパクトな家を建てる人
最初からコンパクトの家づくりを行う予定の人は、回遊動線は必要ありません。
コンパクトの家は、リビングなど主に過ごす部屋などを広くした方がいいです。
むしろ、回遊動線のための通路を増やすことで、居室や収納スペースが狭くなってしまって暮らしにくくなる可能性もあります。
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まとめ:回遊動線って後悔するの?押さえておきたいメリットとデメリット
回遊動線のメリット・デメリット、後悔例やおすすめの間取りについて解説しました。
流行りの回遊動線ですが、生活スタイルによっては不要な場合もあります。
住み始めてから後悔しないためにも、回遊動線の特徴をしっかりと把握し、間取りのシミュレーションも行うようにしましょう。
では本日のまとめです。
回遊動線の他にも人気の間取りについて紹介していますので、参考にして下さい。
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